未完の明治維新
- 作者: 坂野潤治
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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そうか、大和、武蔵もこの延長線上に構想されていたのか……
儒教は、朱子学者の弄物、神道は荒唐にして無経、仏教は愚夫愚婦を欺く教え……、だから近代化には「教育勅語」が必要だったんだな。
佐久間象山の「強兵論」、横井小楠の「富国論」、大久保忠寛の「議会論」と近代国家日本のアウトラインは、すでに幕末に決定されていた。
そのアウトラインに沿って、明治維新を起こした、西郷隆盛(強兵派)、大隈重信(議会派)、大久保利通(富国派)、木戸孝允(立憲派)ら、それぞれの「武士の革命」の理想の進展とその挫折を描く。
- 作者: 坂野潤治
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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- 作者: 坂野潤治
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板野潤治先生版、スターウオーズ三部作というか……(^^)
西欧からデモクラシーと近代文明を輸入して、民が豊かに暮らせる近代国家を作るはずだったのに……。そのアナキン・スカイウオーカー(帝国日本)が、ダークサイドに堕ち、軍国主義に走って、ダースベーダーとなって、太平洋戦争で惨敗してしまうまでを描く。
「選ばれし者だったのに……」というか(^^)
板野先生のあとがきより
私見
たぶん、デモクラシーとファシズムは近縁関係にあるからでつ。国民がバカだと、デモクラシーは簡単に暗黒面に堕ちてファシズムになってしまいまつ。
他方で、明治維新以来の自由主義と民主主義の伝統の下で、自己中心的で経済的利益しか考えない現代の日本人が、どうして生まれたのかという問いが「伝統」尊重派から発せられるだろう。
私見
現代にかぎらず、日本人は昔から自己中心的で経済的利益しか考えてなかったからでつ。横井小楠先生もおっしゃっておられるように、「一国を挙げて無宗旨の国体」だったんでつ。
だから、権力者はいつも、いつも「滅私奉公」を宣伝しなければならなかったのでつ。
いや、日本人に限らず、どこの国の人でも本当は、そうなのかもしれないでつ。(--)