エミール
- 作者: ルソー,今野一雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1962/05/16
- メディア: 文庫
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某ブログのコメントで書いたレスだけど、重要なので自ブログにも再録。
ちなみに、「エミール」を読み始めたんだけど、これは渡部さんがいう共産主義の原型というより、むしろファシズムの原型だなあと思った。
例えば
「女性の義務は疑うことができない。ところが人々は、女性がその義務を無視しているのに同調して、子どもを自分の乳で育てようと、他人の乳で育てようと、同じことではないかというようなことで議論をたたかわしている」
(疑えないそうです(^^))
「母親がすすんで子どもを自分で育てることになれば、風儀はひとりでに改まり、自然の感情がすべての人の心によみがえってくる。国は人口が増えてくる」
(少子化問題、解決(^^))
「むだな説教。たとえ世間の快楽にあきたとしても、人々はけっkしてこういう楽しみ(夫婦あい和して自分の手で子育てする楽しみ。括弧内純子)に帰ってくることはあるまい。女性は母になることをやめた。女性はもう母にはならないだろう。なろうともしないのだ。たとえなろうとしても、なかなかなれないだろう。反対の習慣のできているこんにちでは、女性は自分の周囲にいるあらゆる女性の反対とたたかわねばなるまい。そういう女性は、自分で示したこともないし、従うことも欲しない手本に対抗するため一致団結しているのだ」
(そうか、一致団結して柳澤発言を……)
「ほんとうの乳母は母親であるが、同じように本当の教師は父親である。父と母とはその仕事の順序においても、教育方法においても完全に一致していなければならない。母親の手から子どもは父親の手に移らなければならない。世界でいちばん有能な先生によってよりも、分別ある平凡な父親によってこそ、子どもはりっぱに教育される」
(伝統的ムラの子育て、万歳!やはり自然に帰れ、農村に帰れ(^^))
「子どもを生ませ養っている父親は、それだけでは自分のつとめの三分の一を果たしているにすぎない。かれは人類には人間をあたえなければならない。社会には社会的な人間をあたえなければならない。国家には市民をあたえなければならない。この三重の債務をはたす能力がありながら、それを果たしていない人間はすべて罪人であり、半分しかはたさない場合はおそらくいっそう重大な罪人である。父としての義務をはたすことのできない人には父になる権利はない。」
(教育勅語の元ソースって、ルソー???(^^))
以上、上記の「エミール」より抜き書き
渡部さんというのは、渡部昇一氏のこと。
こんな本を出しているらしい。
- 作者: デイブロビンソン,Dave Robinson,Oscar Zarate,渡部昇一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2002/08
- メディア: 単行本
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それでここで議論になったのだけれど……
http://macska.org/article/170#comments
要するに、今の私たちは「良くも悪くも近代合理主義の子」ということなんだろうなというのが私の結論。